「トイプードルのしつけ、失敗したかもしれない…」
そう感じて、不安になってしまう方は少なくありません。
最初は、「かわいい」と思って迎えたはずなのに、
- トイレを覚えてくれない
- 噛む
- 吠える
そんな毎日の中で、「自分の育て方が悪かったのかな」と悩んでしまうこともあると思います。
でも私は、しつけに“完璧”はないと思っています。
実際、トイプードルはとても賢い犬種ですが、その子によって性格も違えば、覚えるスピードも違います。
元気いっぱいな子もいれば、慎重な子、甘えん坊な子もいます。
だからこそ、「うまくいかない=失敗」ではないのだと思います。
私自身、2009年から多くのトイプードルたちと関わってきましたが、最初から何も悩まずに育てられたご家族は、ほとんど見たことがありません。
むしろ、悩みながら向き合っている方ほど、その子のことを真剣に考えているように感じます。
この記事では、トイプードルのしつけでよくある「トイレ・噛む・吠える」の悩みについて、ブリーダーの視点からやさしくお話していきます。
今、「しつけに失敗したかもしれない」と感じている方も、焦らず一緒に考えていきましょう。
トイプードルのしつけで失敗したと感じる3つの理由

「ちゃんとしつけしているつもりなのに、全然うまくいかない…」
そう感じてしまうことは、決して珍しいことではありません。
特にトイプードルは賢い犬種だからこそ、「すぐ覚えてくれるはず」と思われやすい一方で、実際には悩む方もとても多い犬種です。
ここでは、実際によくある“しつけで失敗したと感じる3つの理由”についてお話していきます。
「思っていたより大変」と感じる瞬間
トイプードルを迎える前は、SNSや動画などで「かわいい姿」を見ることが多いと思いますし、「うまくいっている場面」だけが見えることも多いため「思っていたより大変」と感じることはありませんか。
「おすわり」「お手」などは比較的早く覚えてくれるのに。
でも、トイレの失敗、甘噛み、夜鳴きや要求吠えなどの、一般的な「しつけ」と言われることは、なかなか覚えてくれないことが「思っていたより大変かもしれない」と感じる瞬間だと思います。
なぜなら、子犬の時期は、人間の赤ちゃんと同じように、まだ何もわからない状態です。
なので、子犬の時期にしっかり「しつけ」を教えていかないと「思ったより大変」と感じてしまうことになってしまいます。
最初から「しつけ」を完璧にできる子はいません。
そこで、2009年からの経験から思うこととして「しつけ」として考えるのではなく、犬たちとの信頼関係を作っていくところから始めてからでいいと思っています。
叱る・怒るが逆効果になってしまうこともある
しつけというと、「ダメなことをしたら叱る」というイメージを持つ方も多いと思います。
もちろん、危険なことを止めることは大切です。
でも、強く怒鳴ったり、何度も叱り続けたりすると、逆に犬が不安になってしまい、飼い主さんの見えないところで粗相してしまったりすることもあります。
なぜなら、特にトイプードルは、人の表情や空気の変化に敏感な子が多い犬種です。
そのため、「なぜ怒られているのか」がわからないまま、怖さだけを感じてしまう場合もあります。
結果として、
- 飼い主の顔色ばかり見る
- 隠れて失敗する
- 余計に吠える
など、別の問題につながってしまうこともあります。
なので、「叱る・怒る」だけでは、信頼関係を作ることは難しいのかもしれません。
思っていたより大変と感じる瞬間のところでも説明しましたが、「しつけ」として考えるのではなく、安心して暮らせる信頼関係を作っていくことも大切なのだと思います。
トイプードルは賢いからこそ悩みやすい
トイプードルは、とても賢い犬種だと言われています。
実際、人の動きや言葉、毎日の流れをよく見て覚えている子も多いです。
でも、その“賢さ”があるからこそ、人の反応をよく見ながら行動することもあります。
例えば、要求吠えをした時に反応してもらえた経験があると、「吠えると来てくれる」と覚えてしまうことがあります。
また、甘えん坊な子ほど、人との関わりを求めて行動が強く出る場合もあります。
つまり、「賢い=しつけが簡単」というわけではなく、人との関係性の中で覚えていく部分が大きい犬種なのだと思います。
だからこそ、「失敗した」と焦るよりも、その子の性格やペースを見ながら、少しずつ向き合っていくことが大切なのかもしれません。
【お悩み別】トイレ・噛む・吠える悩みとの向き合い方
トイプードルのしつけで特に多くの飼い主さんを悩ませる
- トイレ
- 甘噛み
- 吠える
この3大トラブル。
これらはすべて、力づくで抑え込むのではなく、犬の習性や心理を理解して「向き合い方」を変えることで、今からでも十分に挽回できます。
実際、見学へ来られる方や、お迎え後に相談をいただく中でも、「うちの子だけでしょうか?」と不安になられる方は少なくありません。
でも、こうした悩みは、決して珍しいことではありません。
むしろ、多くの飼い主さんが一度は悩みながら、少しずつ関係を作っていっています。
ここでは、それぞれのお悩みについて、トイプードルたちと暮らしてきた経験をもとにお話していきます。
トイレの失敗を繰り返してしまう時
「トイレを覚えてくれない…」
「ケージの外に出すと、わざとカーペットの上でしてしまう」
「さっきまで覚えていたのに、急に違う場所でするようになった」
トイレの失敗が続くと、部屋が汚れるストレスも相まって、本当に気が滅入ってしまいますよね。
「一度失敗してしまったから、もう覚えないかも……」と諦める必要はありません。
トイプードルのトイレトレーニングを成功させる最大のコツは、根気ではなく「徹底した環境づくり」と「排泄のタイミングの把握」することなのかもしれません。
例えば、
- 食後
- 寝起き
- 遊んだあと
など、排せつしやすいタイミングでトイレへ誘導してあげるだけでも、少しずつ覚えていく子は多いです。
さらに、ワンちゃんが失敗してしまう場所には、必ず「失敗したくなる理由(足触りがいい、静かで落ち着けるなど)」が隠されているのです。
もう一つ、失敗をした時に強く叱ってしまうと、「排せつすると怒られる」と覚えてしまい、隠れてしてしまう場合もあります。
焦らず、その子のペースを見ながら続けていくことが大切なのだと思います。
なので、トイレトレーニングを成功させる最大のコツは、根気ではなく「徹底した環境づくり」と「排泄のタイミングの把握」することだと思います。
成犬になってからでも、トイレの仕組みを正しく整えてあげれば、必ずステップアップできます。
我が家で実践している具体的なトイレの設置方法や、失敗をゼロにするための「タイミングの見極め方」については、こちらの記事で詳しく解説しています。
子犬のトイレトレーニングやり直しで成功させるコツ5選!失敗理由も解説!
甘噛みや噛み癖で悩む時
トイプードルの子犬は、遊びの中で甘噛みをすることがあります。
「遊んでいる最中に、突然エスカレートして本気で噛んでくる」
「手や足をオモチャだと思って、執拗に追いかけて噛んでしまう」
特に歯の生え変わり時期は、口の違和感から何かを噛みたがる子も少なくありません。
生え変わり前の子犬の歯は、先がとがっていて噛まれると本当に痛いですし、「このまま狂暴な子になってしまったらどうしよう…」と、愛犬を怖く感じてしまう瞬間もありますよね。
でも、そこで強く怒ってしまうと、逆に興奮してしまったり、「噛んだら飼い主さんが声を上げて反応してくれた!」と勘違いして、おもしろがってエスカレートしてしまうケースや、不安から余計に噛むようになることもあります。
また、甘噛みは「遊んでほしい」「かまってほしい」という気持ちから出ている場合もあります。
噛まれたときに一番大切なのは、大声で怒ることではなく、「噛んだら楽しい時間が一瞬で終わる」という人間の明確な意思表示をすること。
だからこそ、「噛んだからダメ」だけではなく、どうしてその行動をしているのかを見てあげることも大切です。
おもちゃへ誘導したり、一度落ち着く時間を作ったりしながら、少しずつ「噛んでいいもの・ダメなもの」を覚えていくこともあります。
「もう噛み癖が定着しちゃったかな…」と悩む必要はありません。
今からでも、人間の対応を一貫させれば「噛んでも思っていたようにはならない」と、少しずつ理解してくれるようになります。
最初から完璧にできる子はいません。
だからこそ、焦らず向き合っていくことが大切なのだと思います。
愛犬に痛みを教え、噛み癖を優しく卒業させるための具体的なステップや、我が家で実践している「無視(スルー)の正しいやり方」は、こちらの記事で詳しくお伝えしています。
トイプードルの歯の生え変わりで噛み癖が急増!子犬期に気をつけたいしつけと遊び方を解説
トイプードルが噛む理由や唸る理由とは?飼い主が見落としがちな接し方と落とし穴を解説
吠えることが増えてきた時
吠えることが増えてきた時は、吠える原因をつかみ「スルー」と「安心感」を持たせることが重要となります。
例えば、
- インターホンが鳴るたびに、狂ったように激しく吠えてしまう
- ケージに入れると、出してもらえるまでずっと要求吠えが続く
- 外の物音に敏感に反応したり、お留守番のときに鳴き続ける
このように吠えることが増えてくると、ご近所迷惑になっているかもと思ってしまい、飼い主さん自身の心が休まらなくなってしまいますよね。
これらの吠える原因は、大きく分けて2つあります。
1つは「寂しい、構って!」という要求、もう1つは「知らない音がして怖い!」という警戒や不安です。
甘えん坊で知能が高いトイプードルだからこそ、人間の小さな反応を敏感にキャッチして、「吠えたらこっちを見てくれた(要求が通った)」と学習してしまったり、逆に飼い主さんが焦って大声を出すことで「大好きな飼い主さんも一緒に警戒して怒っているんだ!」と勘違いして、さらに激しく吠えてしまう悪循環に陥りやすいのです。
大切なのは、要求吠えには毅然とした態度で「徹底的にスルー」すること。
そして、警戒や不安からの吠えには「ここは安全だよ」という確かな安心感を与えてあげることです。
また、トイプードルは人との関わりを好む犬種なので、「かまってほしい」「不安」「寂しい」といった気持ちから吠えることもあります。
特に飼い主さんの反応をよく見ている子ほど、「吠えると来てくれる」と覚えてしまう場合もあります。
でも、吠えること自体を「悪いこと」と決めつけるだけではなく、「なぜ吠えているのか」を考えてみることがとても大切です。
実際、家族の空気が悪い時や、強い口調で話している時に、不安そうに吠える子もいます。
また、環境の変化や生活リズムの変化から、不安定になる場合もあります。
だからこそ、「吠える=しつけ失敗」と考えるのではなく、その子の気持ちを少しずつ理解していくことも大切なのだと思います。
「ご近所の目が気になってスルーなんてできない…」という方へ向けて、無駄吠えのスイッチを優しく切るための具体的なアプローチ方法については、こちらの記事で詳しくまとめています。
トイプードルが吠える7つの理由と5つの解決策を解説!今日から使える対策のまとめ
犬が音に敏感で吠えるのはなぜ?飼い主が気をつけたい3つのポイント!
ブリーダーから伝えたい、しつけに「手遅れ」はないということ
最後に、今まさに「しつけに失敗してしまった……」と目の前の愛犬を前に途方に暮れているあなたへ、一番お伝えしたいことがあります。
犬の年齢に関係なく、絆はいつからでも結び直せる
子犬の時期を過ぎて成犬になっていたり、保護犬としてお迎えしたりした方の中には、「もう3歳だから直らないのではないか」「人間の年齢でいえばもう大人だから手遅れかも」と不安に思う方も少なくありません。
でも、断言させてください。
犬のしつけに「手遅れ」なんていう言葉は存在しません。
確かに子犬期の方が吸収は早いですが、成犬には成犬の「落ち着き」や「人間の意図を理解する力」があります。
愛犬は、大好きな飼い主さんのことをいつでも見ています。
人間側の「向き合い方」や「対応のルール」が今日から変われば、ワンちゃんもそれに応えるように、必ず何歳からでも変わってくれます。焦る必要はまったくありません。
大切なのは「完璧な愛犬」にすることではなく「お互いが心地いい関係」
世間のSNSや動画を見ていると、一回でお座りをし、一歩も遅れずに横を歩く「完璧なしつけ」をされた愛犬が目に入り、我が子と比べて落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
しかし、しつけの本当の目的は、コンテストで優勝することでも、誰かに自慢することでもありません。
あなたと愛犬が、これから10年、15年と続く暮らしの中で「お互いにストレスなく、心地よく笑顔で過ごせること」です。
少し失敗したって、トイレをたまに間違えたって、あなたと愛犬の間に「信頼」があればそれで100点満点です。
ノウハウに振り回されすぎず、目の前のかわいい愛犬との「絆の再構築」を楽しんでみてください。
まとめ

トイプードルのしつけで「失敗したかも」と悩むのは、あなたが愛犬のことをそれだけ真剣に愛し、幸せにしたいと願っている素晴らしい飼い主さんである証拠です。
トイプードルは賢い犬種だからこそ、お互いのボタンが掛け違ってしまうこともあります。
しかし、その賢さは、正しい向き合い方さえ見つかれば、今度は「最高のパートナー」へとつながっていく大きな力になります。
まずは今日から、
トイレの環境を見直してみる
噛まれたら一瞬静かに席を外してみる
要求吠えには徹底して目も合わせない
そんな小さな一歩から始めてみませんか。
焦らず、一歩ずつ愛犬との距離を縮めていきましょう。
もし途中で迷ったり、また心が折れそうになったりしたときは、いつでもこの記事に戻ってきて、それぞれの個別記事をヒントにしてみてくださいね。
あなたとトイプードルの毎日に、もっとたくさんの笑顔が増えることを心から応援しています。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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