「繁殖引退犬」という言葉を聞いたことはありますか?
犬を迎えようと考えている方の中には、
「繁殖を引退した犬はその後どうなるのだろう?」
「里親に出されることが多いのかな?」
と気になったことがある方もいるかもしれません。
実際に、「繁殖引退犬」や「引退犬 里親」といった言葉で検索される方も少なくありません。
繁殖引退犬のその後については、犬舎ごとにさまざまな考え方があります。
新しい家族を探す犬舎もあれば、そのまま犬舎で暮らし続ける犬舎もあります。
そんな中で、プードルズハウスでは開業当初から変わらず続けていることがあります。
それが「終生飼養」という考え方です。
我が家では、繁殖を引退した犬たちも、耳の聞こえない子も、目の見えない子も、みんな家族として一緒に暮らしています。
今回は、なぜ私たちが繁殖引退犬を里親に出さず、終生飼養を大切にしているのか、その理由についてお話ししたいと思います。
繁殖引退犬はその後どうなるの?と気になる方へ

繁殖引退犬について調べていると、「里親募集」「譲渡会」「新しい家族を探しています」といった言葉を目にすることがあります。
そのため、「繁殖を引退した犬はみんな里親に出されるのかな?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実際には、繁殖引退犬との向き合い方は犬舎によってさまざまです。どちらが正しい、間違っているということではなく、それぞれの考え方や環境によって選択は異なります。
まずは、繁殖引退犬について関心を持つ方が多い理由と、実際の現状についてお話ししたいと思います。
繁殖引退犬について関心を持つ人は少なくありません
近年では、犬を迎える前にブリーダーについて調べる方が増えてきました。
犬舎の環境や親犬の様子だけでなく、「引退した犬たちはどうしているのだろう?」という部分まで気にされる方もいらっしゃいます。
実際に見学に来られた方からも、「引退したお母さん犬はどうなるんですか?」と質問をいただくことがあります。それだけ、犬の一生について真剣に考える方が増えているのだと思います。
実際にはさまざまな考え方があります
繁殖引退犬との向き合い方に決まった答えはありません。
新しい家族のもとで第二の犬生を送るという考え方もありますし、これまで暮らしてきた場所で最後まで過ごすという考え方もあります。どちらも犬たちの幸せを願って選ばれているものだと思います。
その中で、私たちプードルズハウスは「最後まで一緒に暮らす」という選択をしています。それは、繁殖犬だからではなく、一緒に暮らしてきた家族だからです。
プードルズハウスが終生飼養を選んだ理由
我が家では繁殖を引退した犬たちを里親に出すことなく、最後まで一緒に暮らしています。それは2009年の開業以来、ずっと変わらない考え方です。
もちろん、里親募集をされている犬舎を否定するつもりはまったくありません。ただ、私たちには命と向き合う上での、譲れない信念があります。
我が家では引退犬も家族の一員です
子犬たちのお母さん犬は、繁殖を引退した瞬間に家族ではなくなるわけではありません。これまで何年も一緒に暮らし、毎日顔を合わせてきた大切な存在です。
子犬を産んでくれたから大切なのではなく、その子自身が家族だから大切なのです。
我が家では、引退した母犬たちも他の犬たちと一緒に生活しています。若い頃のように走り回ることは少なくなっても、穏やかな時間を過ごしながら毎日を送っています。その姿を見ていると、「この子たちと最後まで一緒に暮らしていきたい」と自然に思うのです。
最後まで見守ることもブリーダーの責任だと思っています
犬を迎える時、多くの方はその子の一生に責任を持とうと考えます。私たちブリーダーも全く同じです。命をこの世に迎えた以上、最後まで見守ることも大切な責任の一つだと思っています。
実際には、年齢を重ねれば病気になることもあります。足腰が弱くなることも、介護が必要になることもあるかもしれません。
それでも、その時になって手放すのではなく、一緒に暮らしてきた家族として最後まで寄り添いたい。それがプードルズハウスが終生飼養を大切にしている理由です。
障害を持って生まれた子たちも一緒に暮らしています
終生飼養という考え方は、引退した犬たちだけに向けられたものではありません。我が家では、障害を持って生まれた子たちも家族として一緒に暮らしています。
もちろん、最初からそうしたことを想定していたわけではありません。長くブリーダーを続けていると、さまざまな出来事があります。その中には、健康上の問題を抱えて生まれてくる子もいました。
目も見えず、耳も聞こえない子との出会い
これまでに、生まれつき目が見えず、耳も聞こえない子が生まれたことがありました。
まだよちよち歩きの頃、呼んでも振り向かないし、音に反応しない、後ずさりしかしない子がいました。「何かおかしい」と思い、かかりつけの動物病院へ連れて行った結果、目も見えない、耳も聞こえないという診断でした。
最初は戸惑いもありました。普通であれば当たり前だと思っていたことが、その子には伝わらないのです。
しかし、幸い健康状態には問題なく、その子は匂いや体の感覚を頼りに、自分なりの方法で毎日を過ごしていました。一緒に暮らしているうちに、その子が環境に順応していく健気な姿を見て、犬たちの持つ生命力の強さを改めて教えられました。目が見えなくても、耳が聞こえなくても、その子はその子らしく、今も毎日を幸せに過ごしています。
耳の聞こえない子が教えてくれた、犬の順応力
また別の時には、耳の聞こえない子も生まれました。
初めて分かった時はやはり心配もありましたが、犬たちの順応する力には本当に驚かされます。家具の配置を完全に覚えたり、匂いで場所を判断したりしながら、自分なりの方法で楽しそうに生活していました。
もちろん不自由な部分はあります。それでも、その子が家族であることに変わりはありません。
私たちにとって大切なのは、「障害があるかどうか」ではなく、「その子がその子らしく暮らせること」。だからこそ、他の犬たちと同じように、当たり前の家族としてリビングで一緒に暮らしています。
引退犬たちが教えてくれたこと
引退犬たちと暮らしていると、若い頃には気付かなかったことをたくさん教えてもらいます。
子犬の頃は元気いっぱいで、毎日走り回っていた子たちも、年齢を重ねるにつれて少しずつ落ち着いていきます。それは決して寂しいことではありません。年を重ねた犬たちには、若い犬たちにはない深い魅力があるからです。
若い頃とは違う魅力があります
子犬たちは元気で活発です。見ているだけで自然と笑顔になります。
一方で、引退犬たちはどこか穏やかです。私たちのそばで静かに眠っていたり、気が付くと足元にそっと座っていたり。若い頃のような勢いはなくても、一緒にいるだけで心が通じ合う、深い安心感をくれる存在になっています。長い時間を共に過ごしてきたからこそ生まれる、特別な信頼関係なのかもしれません。
長く一緒に暮らしているからこそ感じること
我が家には、寿命を全うし亡くなった子もいれば、10歳を超えたシニアの犬たちもたくさんいます。
若い頃から知っているからこそ、「あの頃はこんなことがあったな」と思い出すこともあります。出産を経験した子、子育てを一生懸命頑張った子、元気いっぱいに走り回っていた時期。そうしたすべての愛おしい時間を一緒に過ごしてきたからこそ、年齢を重ねた今も、大切な家族として愛おしく見守っていきたいと思うのです。
犬たちは言葉を話しません。それでも、長く一緒に暮らしていると、たくさんの大切なことを背中で教えてくれます。
命の大切さ。信頼関係の大切さ。そして、一緒に過ごす時間の尊さ。
引退犬たちは、私たちにそんなメッセージを教えてくれているように感じています。
まとめ

繁殖引退犬のその後については、犬舎ごとにさまざまな考え方があります。新しい家族を探すという選択もあれば、これまで暮らしてきた場所で最後まで一緒に過ごすという選択もあります。どちらが正しい、間違っているということではありません。
その中で、プードルズハウスでは開業当初から「終生飼養」という考え方を愚直に大切にしてきました。引退した母犬たちも、耳の聞こえない子も、目の見えない子も、みんな等しく大切な家族です。
子犬たちが新しい家族のもとで幸せに暮らしてくれることは、もちろん私たちの最大の願いです。そして同じように、我が家で暮らしている犬たちにも、我が家が一番安心できる場所として、最後まで穏やかに過ごしてほしいと思っています。
命を迎えるということは、その子の一生に丸ごと向き合うことでもあります。だからこそ私たちは、引退したから手放すのではなく、これまで一緒に暮らしてきた家族として最後まで寄り添っていきたいと考えています。それが、プードルズハウスが終生飼養を大切にしている理由です。
そして、この考え方の原点には、一頭の「ブラックの女の子」との出会いがありました。
プードルズハウスが始まるきっかけとなった、その大切な出会いについては、また別の記事でお話ししたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。


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