今から19年前の2007年2月。
まさか、その出会いがプードルズハウスの始まりになるとは思ってもいませんでした。
当時の私たちは、犬を飼おうと思っていたわけではありません。
実は、妻が結婚前に飼っていた猫のことを思い出し、「もう一度ペットと暮らしたいね」と話していたことがきっかけでした。
そこでペットショップを見て回るようになったのですが、当時は今ほど猫が多くなく、なかなか「この子だ」と思える出会いがありませんでした。
そんなある日、何気なく立ち寄ったペットショップで、一頭のブラックトイプードルと出会いました。
その時は、まさかその子が家族になるとも、ましてやブリーダーになるきっかけになるとも思っていませんでした。
しかし、その出会いが私たち家族の人生を大きく変えることになります。
今回は、ブラックトイプードルの「ボン」との出会いから始まった、プードルズハウス誕生の物語をお話ししたいと思います。
猫を探していたはずだった

今振り返ると不思議なものですが、プードルズハウスの始まりは犬との出会いではありませんでした。
当時の私たちは、もう一度ペットと暮らしたいと思っていましたが、探していたのは犬ではなく猫だったのです。
しかし、その何気ない行動が、一頭のブラックトイプードルとの出会いにつながることになりました。
もう一度ペットと暮らしたいと思ったきっかけ
私たち家族がペットを迎えるきっかけになったのは、妻の一言でした。
妻は結婚する前に「ジャム」という猫を飼っていました。
そのため、時々その頃の話をすることがあり、「また猫と暮らしたいね」という話になったのです。
そこで休日になると、近くのペットショップを見て回るようになりました。
当時は今ほど猫を見かけることも多くなく、何軒か回ってみてもなかなかご縁を感じる子には出会えませんでした。
それでも、「いつか良い出会いがあるといいね」と話しながら、気軽な気持ちでペットショップへ足を運んでいました。
思いがけず出会ったブラックトイプードル
そんなある日、一頭のトイプードルが目に留まりました。
小さなブラックの女の子でした。
実はその頃、息子はアレルギー体質だったため、犬を迎えることには少し不安もありました。
すると、ペットショップの店員さんが、「トイプードルは毛が抜けにくい犬種なので、アレルギー体質の方でも大丈夫な場合がありますよ。一度抱っこして様子を見てみませんか?」と声をかけてくれました。
そこで実際に抱っこさせてもらうことになりました。
しばらく様子を見ていましたが、息子にアレルギー症状は出ませんでした。
すると妻が、「この子、連れて帰りたい」と一言。
今思えば、その瞬間から私たち家族との物語が始まったのかもしれません。
「ボン」と名付けたブラックトイプードルとの暮らしが始まった
ブラックトイプードルを迎えて「ボン」と名付けて、我が家の生活は少しずつ変わっていきました。
当時は犬を飼うのも初めてに近い状態だったため、不安がなかったわけではありません。
しかし、その心配はすぐになくなりました。
「ボン」は私たちが想像していた以上に穏やかで、とても飼いやすい子だったのです。
店員さんが言った「ブラックは飼いやすいですよ」
「ボン」を迎える時、ペットショップの店員さんからこんなことを言われました。
「ブラックの子は比較的落ち着いていて飼いやすい子が多いですよ」
もちろん、犬にもそれぞれ個性があります。
そのため、毛色だけで性格が決まるわけではありません。
ただ、実際に一緒に暮らしてみると、ボンはとても穏やかな子でした。
無駄に吠えることも少なく、しつけで大きく悩むこともありませんでした。
犬を飼うことが初めてだった私たち家族にとって、本当にありがたい存在だったと思います。
家族の中心にいた「ボン」
「ボン」を迎えてから、家の中の雰囲気も変わりました。
仕事から帰れば「ボン」が迎えてくれる。
休日になれば一緒に過ごす。
家族の会話の中にも自然と「ボン」の話題が増えていきました。
今では当たり前のように犬たちと暮らしていますが、当時はすべてが新鮮でした。
写真を撮ったり、一緒に遊んだり、成長を見守ったり。
気が付けば、「ボン」は家族の中心にいる存在になっていました。
そして、その頃はまだ想像もしていませんでした。
この子との暮らしが、後に「プードルズハウス」へとつながっていくことになるとは。
血統書が届いた日、人生が少し変わった

「ボン」との暮らしはとても穏やかでした。
毎日が楽しく、ただ一緒に暮らしているだけで十分幸せでした。
もちろん、その頃はブリーダーになることなど考えたこともありません。
犬が好きになり、「ボン」との時間を楽しんでいただけでした。
そんなある日、ペットショップから「ボン」の血統書が届いたとの連絡を受け取りに行きました。
初めて「ボン」の血統書を見た時は、「へえー、こんなものなんだ」と新鮮な気持ちになったことを覚えています。
妻の一言がすべての始まりだった
血統書を見ながら、妻がふとこんなことを言いました。
「この子の子供って見てみたくない?」
正直、その時は驚きました。
私はそれまで、犬の繁殖について考えたこともありませんでした。
もちろんブリーダーになるつもりもありません。
ただ、妻の言葉を聞いているうちに、「ボンの子供か…」と少しずつ興味が湧いてきたのです。
今思えば、その何気ない一言が、「プードルズハウス」の始まりだったのかもしれません。
まさかブリーダーになるとは思っていなかった
当時の私たちは、ただ「ボン」が大好きな普通の家族でした。
子犬を販売しようとか、犬舎を運営しようとか、そんなことは全く考えていませんでした。
ただ、「ボンの子供を見てみたい」その気持ちが少しずつ大きくなっていったのです。
そして調べていくうちに、犬の繁殖には大きな責任が伴うことも知りました。
命を迎えること。
命を育てること。
そして、新しい家族へ送り出すこと。
簡単なことではありませんでした。
それでも、「ボン」との出会いがあったからこそ、一歩踏み出してみようと思えたのです。
あの日の出会いが「プードルズハウス」につながった
2007年2月。
猫を探していた私たち家族は、一頭のブラックトイプードルと出会いました。
もしあの日、別のペットショップへ行っていたら。
もしあの日、「ボン」を抱っこしていなかったら。
もしあの日、妻が「この子連れて帰りたい」と言わなかったら。
今の「プードルズハウス」は存在していなかったかもしれません。
「ボン」との出会いは、ただ犬を迎えたというだけの話ではありませんでした。
家族の暮らしを変え、私たちの考え方を変え、そして多くのトイプードルたちとの出会いへとつながっていったのです。
19年経った今でも、その原点は変わりません。
すべては、一頭のブラックトイプードルとの出会いから始まりました。
「プードルズハウス」が誕生するまで
「ボン」との暮らしを続ける中で、「この子の子供を見てみたい」という思いが少しずつ現実味を帯びてきました。
しかし、その頃の私は繁殖について何も知りませんでした。
犬を飼うことと、命をつなぐことはまったく別の話です。
だからこそ、まずは知ることから始めました。
繁殖は想像していたよりもずっと奥が深かった
当時は今ほどインターネットで簡単に情報が集まる時代ではありませんでした。
本を読んだり、実際に「ボン」を迎えたペットショップさんの話を聞いたりしながら、一つひとつ学んでいきました。
調べれば調べるほど、「子犬が生まれれば終わりではない」ということが分かってきました。
母犬の健康管理。
交配の知識。
出産時のリスク。
生まれてからの育て方。
そして、新しい家族へ送り出した後の責任。
命を扱うということの重さを、少しずつ理解するようになったのです。
それでも挑戦してみたいと思った理由
正直、不安もありました。
本当に自分たちにできるのだろうか。
もし出産で何かあったらどうしよう。
そんなことも考えました。
それでも前に進もうと思ったのは、ボンという存在があったからです。
毎日一緒に暮らしながら、「この子が与えてくれる幸せをもっと知りたい」そんな気持ちが大きくなっていきました。
まずはお婿さん探しから始まった
「ボン」の子供を迎えたいと思っても、当然ながら「ボン」だけでは子犬は生まれません。
そこで次に考えたのが、お婿さん探しでした。
とにかく、「ボン」がブラックだったので、ブラックの男の子を探しました。
今思えば、ここから本格的に繁殖への道が始まったのだと思います。
一番大変だったのは行政への申請でした
「ボン」の子供を迎えたいという強い気持ちはありましたが、それだけでブリーダーになれるわけではありません。むしろ、私にとって一番の大きな壁となったのは、行政への申請手続きでした。
ここがブリーダーという仕事の「キモ」でもあります。世間では「犬が好きなら簡単に始められる」と思われている部分があるかもしれませんが、それは大きな間違いであり、非常に危険な認識です。
当時は分からないことばかりで、一つひとつ確認しながら必死に準備を進めていったことを今でも覚えています。
動物取扱業の登録を目指して:立ちはだかる厳しい要件
繁殖を行い、子犬を新しい家族へ迎えていただくためには、「第一種動物取扱業」の登録が法律で義務付けられています。この登録を取得するためには、主に以下のような非常に厳しいステップと要件をクリアしなければなりません。
当時の私は「犬が大好きだから始められる仕事」だと思っていました。しかし実際はそうではありませんでした。
私が実際に経験した登録までの流れを簡単にまとめると、次のようになります。
| 取得までの基本ステップ | 具体的な内容とハードル |
|---|---|
| ① 事前確認 | 予定地が都市計画法や建築基準法上、ペット関連の事業(犬舎)を行える場所か、各自治体の担当課に確認します。どこでも自由に営業していいわけではありません。 |
| ② 責任者の配置 | 事業所ごとに専属の「動物取扱責任者」を常勤職員の中から1名以上選任する必要があります。 |
| ③ 申請・手数料 | 第一種動物取扱業登録申請書、欠格事由に該当しないことの誓約書、事業の実施方法、飼養施設の平面図や付近の見取図など、膨大な必要書類を揃えて手数料を支払います。 |
| ④ 立入検査 | 保健所等の担当者が施設へ実際に立ち入り、ケージの広さや衛生管理など、厳しい基準を満たしているかその目で確認します。 |
この表を見てもわかるように、「ブリーダー」になるためには様々な条件をクリアしなければなりません。私自身、当時は「こんなに大変なんだ」と驚きました。
特に、「動物取扱責任者」の資格要件は大きな壁でした。
最も高い壁「動物取扱責任者」の資格要件
このステップの中でも、私にとって最も高いハードルとなり、生半可な気持ちを跳ね返す最大の壁となったのが「動物取扱責任者」の資格要件でした。
責任者になるためには、以下のいずれかを満たしていなければなりません。
- 獣医師免許の取得者
- 愛玩動物看護師免許の取得者
- 一定の学校(動愛法に関わる専門学校や大学など)の卒業 + 半年以上の実務経験
- 営もうとする業種について1年以上教育する学校等の卒業 + その種別にかかる半年以上の実務経験(※学歴がない場合は、2年以上の気の遠くなるような実務経験が必要)
当時の私には、当然これらの免許や専門的な学歴はありませんでした。
正直なところ、この厳格な事実を知った時は目の前が暗くなるような思いでした。「犬が好きだからというだけでは、スタートラインにすら立てないんだ」と、命を扱う仕事の本当の厳しさを突きつけられた瞬間でもありました。
簡単に登録できると思われがちですが、実際には国が定めたこれほど高いハードルを超えなければ、開業許可すら下りないのです。
だからこそ、私たちは家族と何度も何度も話し合いました。
諦めるのではなく、それぞれが役割を分担しながら、どうすればこの法的な必要条件を一つずつクリアしていけるのか、本気の覚悟を決めて長期的な準備を進めていくことにしたのです。
2009年1月、プードルズハウスがスタート

さまざまな準備と手続きを経て、ようやくスタートラインに立つことができました。
そして2009年1月。
プードルズハウスとしての第一歩を踏み出しました。
ようやくスタートラインに立てた
登録が認められた時は嬉しかった反面、「ここからが本当のスタートだ」という気持ちの方が強かったように思います。
犬たちの命を預かり、新しい家族へつないでいく責任があります。
だからこそ、気持ちが引き締まる思いでした。
今も変わらない「ボン」への感謝
現在まで多くのトイプードルたちとの出会いがありました。
嬉しかったこともありました。
悩んだこともありました。
失敗したこともありました。
それでも今日まで続けてこられたのは、すべての始まりがボンとの出会いだったからです。
もしあの日、あのブラックトイプードルと出会っていなければ、今の「プードルズハウス」は存在していなかったかもしれません。
まとめ

今から19年前の2007年2月。
私たち家族は、猫を探してペットショップを見て回っていました。
しかし、そこで出会ったのは一頭のブラックトイプードルでした。
名前は「ボン」。
当時は、その出会いがプードルズハウスの始まりになるとは思ってもいませんでした。
「ボン」との暮らしが始まり、「この子の子供を見てみたい」という思いが生まれました。
そこから繁殖について学び、動物取扱業の登録に向けて準備を進め、保健所の立入検査を受け、2009年1月にプードルズハウスをスタートすることができました。
決して簡単な道のりではありませんでした。
それでも今日まで続けてこられたのは、すべての始まりが「ボン」との出会いだったからです。
現在では多くのトイプードルたちとの出会いがあり、多くのご家族とのご縁をいただいてきました。
しかし、どれだけ年月が経っても、私たちにとって「ボン」は特別な存在です。
もしあの日、あのブラックトイプードルと出会っていなければ、今のプードルズハウスは存在していなかったかもしれません。
そして、プードルズハウスが大切にしている「終生飼養」という考え方も、そんな「ボン」との暮らしの中から生まれました。
一頭のブラックトイプードルとの出会い。
それが、私たち家族の人生を大きく変えた始まりだったのです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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