ミックス犬のメリット・デメリットは?純血種との違いや迎える前の注意点を解説

ミックス犬のメリット・デメリットを解説するアイキャッチ画像 子犬選びシリーズ

「ミックス犬ってかわいいけれど、純血種とは何が違うんだろう?」

「ミックス犬には、どんなメリットやデメリットがあるの?」

トイプードルとマルチーズを掛け合わせた「マルプー」や、チワワとトイプードルを掛け合わせた「チワプー」など、異なる犬種を親に持つミックス犬を目にする機会も増えてきました。

両方の犬種の特徴を受け継いだ見た目のかわいらしさも、ミックス犬の魅力の一つだと思います。

しかし、これから犬を家族に迎えるのであれば、かわいらしさだけで決めるのではなく、ミックス犬ならではのメリットとデメリットの両方を知っておくことが大切です。

特にミックス犬は、どちらの親犬の特徴を強く受け継ぐかによって、成長後の体格や被毛、性格などに違いが出ることがあります。

私はトイプードル専門のブリーダーとして純血種を育てていますが、この記事でミックス犬そのものを否定するつもりはありません。

大切なのは、純血種とミックス犬のどちらが優れているかではなく、それぞれの違いを知ったうえで、自分や家族の暮らしに合う子を考えることだと思っています。

そこでこの記事では、ミックス犬のメリット・デメリットをはじめ、純血種との違いや、迎える前に知っておきたい繁殖や血統についても、ブリーダーの立場からご紹介します。

ミックス犬を迎えようか迷っている方は、家族として迎えるか考える際の参考にしてみてください。

ミックス犬とは?純血種との違い

マルプー・チワプー・ポメプーの3種類のミックス犬

ミックス犬とは、一般的に異なる犬種同士を掛け合わせて生まれた犬のことをいいます。

例えば、トイプードルとマルチーズを親に持つ「マルプー」や、チワワとトイプードルを親に持つ「チワプー」、ポメラニアンとトイプードルを親に持つ「ポメプー」など、両方の犬種名を組み合わせた呼び方を目にすることも多くなりました。

ただし、「マルプー」や「チワプー」という名前の犬種が正式に存在するわけではありません。

一方、トイプードルやマルチーズ、チワワなどの純血種は、それぞれの犬種が持つ体格や被毛、外見などの特徴について犬種標準(スタンダード)が定められています。

ミックス犬の場合は、どちらの親犬の特徴を強く受け継ぐかによって、同じ組み合わせで生まれた子犬でも、外見や被毛、体格などに違いが出ることがあります。

そのため、「マルプーだから成犬になったら必ずこのくらいの大きさになる」「必ずこのような被毛になる」とは言い切れません。

この両方の親犬の特徴を受け継ぐ可能性があることが、ミックス犬ならではの魅力でもあり、迎える前に知っておきたい特徴の一つでもあります。

ミックス犬のメリット

ミックス犬には、異なる犬種を親に持つからこその魅力があります。

特に、両方の親犬の特徴を受け継いだ外見や、同じ組み合わせでも一頭一頭に違いが出やすいところに魅力を感じる方も多いと思います。

ここでは、ミックス犬を家族に迎える前に知っておきたい主なメリットをご紹介します。

両方の親犬の特徴を受け継ぐ楽しみがある

ミックス犬の大きな魅力の一つが、両方の親犬の特徴を受け継ぐ可能性があることです。

例えばマルプーの場合、トイプードルの巻き毛に近い被毛になる子もいれば、マルチーズのような柔らかな被毛の特徴が強く出る子もいます。

顔立ちや耳の形、体格などについても、どちらの親犬に似るのかは一頭一頭違います。

そのため、同じ組み合わせのミックス犬であっても、一頭一頭の違った個性を楽しめることは魅力の一つといえるでしょう。

一頭一頭で外見に違いが出やすい

ミックス犬は、成長するにつれて子犬の頃とは違った特徴が現れることがあります。

「子犬の頃はマルチーズに似ていたけれど、成長するとトイプードルらしい特徴が強くなってきた」ということも考えられます。

毛色や被毛の質、顔立ちなどにも個体差があるため、ほかの子とは違う、その子ならではの外見に魅力を感じる方もいるでしょう。

ただし、この「成長してみないと分からない」という特徴は、メリットだけではありません。

成犬になったときの体格や被毛などを予測しにくいことは、ミックス犬のデメリットにもなります。

この点については、次の項目で詳しくご紹介します。

ミックス犬のデメリット

ミックス犬には、一頭一頭違った特徴が現れやすいという魅力がある一方で、それが迎える前に知っておきたいデメリットになることもあります。

特に、子犬の頃の見た目だけでは、成長後の体格や被毛、性格などを予測しにくいことがあります。

ミックス犬を迎えるときは、メリットだけではなく、こうした特徴についても理解しておくことが大切です。

成長後の体格を予測しにくい

ミックス犬を迎える前に知っておきたいことの一つが、成長後の大きさを予測しにくいことです。

純血種の場合でも一頭一頭に個体差はありますが、犬種ごとに体格の目安があるため、親犬の大きさなども確認することで、ある程度は成長後の姿を想像できます。

一方、異なる犬種を親に持つミックス犬では、どちらの親犬の体格を強く受け継ぐかによって、成長後の大きさに違いが出る可能性があります。

例えば小型犬同士の組み合わせであっても、両方の親犬がまったく同じ体格とは限りません。

そのため、子犬を迎える際には現在の体重だけを見るのではなく、父犬と母犬それぞれの体格について確認しておくことが大切です。

被毛や外見が成長とともに変わることがある

ミックス犬は、子犬の頃と成犬になってからで、被毛や顔立ちなどの印象が変わることがあります。

例えば、子犬の頃はトイプードルのような巻き毛に見えていても、成長するにつれてもう一方の親犬に近い被毛の特徴が現れることも考えられます。

毛質だけではなく、毛色や耳の形、顔立ちなどについても、成長するまで分からない部分があります。

もちろん、この変化そのものを楽しみに感じる方もいるでしょう。

しかし、「成犬になっても必ずこの見た目になる」と考えて迎えると、想像していた姿との違いを感じる可能性があります。

子犬のときの見た目だけで判断せず、両方の親犬の特徴を知っておくことが大切です。

性格も親犬の犬種だけでは判断できない

「この犬種とこの犬種のミックスだから、こんな性格になる」と考えてしまうことがありますが、性格についても簡単には決められません。

純血種にも犬種ごとの性格傾向はありますが、実際には同じ犬種でも、おとなしい子、活発な子、慎重な子、甘えん坊な子など、それぞれ違います。

ミックス犬の場合も同じで、両方の親犬が持つ犬種としての特徴だけではなく、その子自身の性格を見ることが大切です。

私自身、これまで多くのトイプードルの子犬を育ててきましたが、同じ両親から生まれた兄弟でも性格には違いがあります。

だからこそ、ミックス犬を迎える場合にも「○○と○○のミックスだから飼いやすい」と決めつけず、実際に子犬に会い、その子自身の様子や親犬の性格まで確認してから考えることをおすすめします。

ミックス犬だから健康とは限らない

ミックス犬について調べていると、「純血種より病気になりにくい」「ミックス犬は丈夫」といった情報を目にすることがあります。

異なる犬種を掛け合わせることで遺伝的な多様性が生まれることはありますが、それだけを理由に、ミックス犬の方が健康で病気になりにくいと考えるのは注意が必要です。

ミックス犬も、父犬と母犬それぞれから遺伝的な特徴を受け継ぎます。

そのため、両方の親犬の犬種で注意したい遺伝性疾患や健康上の特徴について、迎える前に知っておくことが大切です。

例えば、トイプードルを親犬に持つミックス犬であれば、トイプードルで注意したい病気についても確認しておく必要があります。

これは純血種でも同じです。

私たちもトイプードルを繁殖するときには、「トイプードルだから大丈夫」と考えるのではなく、親犬の健康状態や血統などを確認しながら繁殖を考えています。

大切なのは、「ミックス犬だから健康」「純血種だから病気になりやすい」と犬種の違いだけで判断しないことです。

ミックス犬を迎える場合にも、どの犬種を親に持つのかだけではなく、父犬・母犬それぞれの健康状態や、どのような環境で繁殖されているのかを確認しておくと安心です。

ミックス犬を迎える前に知っておきたい繁殖と血統のこと

ここからは、純血種とミックス犬の違いを考えるうえで、もう一つ知っておいてほしい「繁殖と血統」についてお話しします。

私自身はトイプードルという純血種を専門に繁殖しています。

純血種を専門に繁殖するブリーダーには、その犬種が本来持っている特徴や魅力を大切にしながら、血統や健康状態などを確認し、次の世代へつないでいく役割があると私は考えています。

だからこそ、ミックス犬を迎えたいと考えている方にも、見た目のかわいらしさだけではなく、純血種とはどのような違いがあり、繁殖や血統がどのように管理されているのかを知ったうえで判断してほしいと思っています。

大切なのは、純血種とミックス犬のどちらが優れているかではありません。

それぞれの違いを理解し、納得したうえで、その子を最後まで家族として迎えられるかを考えることだと思います。

母犬の出産回数や交配年齢には決まりがある

現在、動物取扱業者が販売などを目的として犬を繁殖する場合、母犬への過度な負担を防ぐため、繁殖について基準が設けられています。

犬の場合、生涯の出産回数は6回まで、交配時の年齢は原則として6歳以下です。

ただし、7歳に達した時点で生涯出産回数が6回未満であることを証明できる場合には、7歳以下まで交配できる例外があります。

また、JKCでは2022年6月以降、子犬の血統登録を申請する際に、母犬の出産回数や交配年齢についても確認しています。

条件を満たしていない場合には、子犬の血統登録を申請することができません。

このように、JKCに子犬の血統登録をする場合は、血統だけではなく、母犬の出産回数や交配年齢についても登録時に確認される仕組みがあります。

ミックス犬には純血種としてのJKC血統証明書は発行されない

JKCの血統証明書は、JKCに血統登録された同一犬種の父犬と母犬から生まれた子犬に対して発行されます。

そのため、例えばトイプードルとマルチーズから生まれたマルプーのように、異なる犬種を親に持つミックス犬には、純血種としてのJKC血統証明書は発行されません。

ここで誤解してほしくないのは、「血統書がないからミックス犬の繁殖にはルールがない」という意味ではないことです。

ミックス犬であっても、動物取扱業者が販売などを目的として繁殖する場合には、動物愛護管理法に基づく繁殖の基準を守る必要があります。

一方で、異なる犬種を掛け合わせたミックス犬は、JKCが行っている純血種の子犬の血統登録や、血統証明書による管理の対象にはなりません。

だからこそ、ミックス犬を迎える場合にも、販売されている子犬だけを見るのではなく、

  • 父犬と母犬はどんな犬種なのか
  • 実際の親犬を確認できるか
  • 親犬の年齢や健康状態はどうか
  • どのような環境で親犬や子犬が暮らしているのか
  • 繁殖についてどのような考え方を持っているブリーダーなのか

こうしたことまで確認したうえで迎えることが大切だと思います。

ミックス犬を迎える前に確認してほしいこと

ここまでご紹介してきたように、ミックス犬は両方の親犬の特徴を受け継ぐ可能性があるため、成長後の体格や被毛、性格などを子犬の時点ですべて予測することはできません。

だからこそ、ミックス犬を迎えるときには、子犬の見た目だけではなく、その子がどのような親犬から生まれ、どのような環境で育っているのかまで確認してほしいと思います。

父犬と母犬の犬種・体格・性格を確認する

まず確認してほしいのが、父犬と母犬についてです。

「マルプー」「チワプー」などの呼び方だけではなく、父犬と母犬のどちらが何の犬種なのか、実際の体格はどのくらいなのかを聞いてみましょう。

可能であれば、親犬を実際に見せてもらうことも大切です。

特に成長後の大きさを気にしている場合は、子犬の現在の体重だけではなく、父犬と母犬の体格も判断材料になります。

また、性格についても「この組み合わせだからこうなる」と決めつけるのではなく、親犬の性格や子犬自身の様子を確認してみてください。

🐾 子犬を選ぶときに確認したいポイント
子犬を迎えるときは、見た目だけではなく、性格や健康状態、親犬や育っている環境なども確認することが大切です。

親犬の健康状態について確認する

父犬と母犬の健康状態についても確認しておきましょう。

ミックス犬だから病気になりにくいと考えるのではなく、両方の親犬の犬種で注意したい病気について知っておくことが大切です。

ブリーダーに見学へ行った際には、親犬の健康状態や、必要に応じてどのような検査を行っているのかなど、気になることは遠慮せず聞いてみてください。

質問したときに、きちんと説明してもらえるかどうかも、迎える場所を考えるうえで一つの判断材料になると思います。

親犬と子犬が育っている環境を確認する

子犬だけではなく、親犬たちがどのような環境で暮らしているのかも見てほしいと思います。

犬たちが過ごしている場所は清潔に保たれているか、親犬がどのように生活しているのか、子犬が母犬や兄弟犬とどのように過ごしているのかなど、実際に見学することで分かることがあります。

写真や動画だけでは分からないこともあるため、実際にその場所を訪れ、自分の目で確認することが大切です。

🐾 子犬がどんな環境で育っているのか気になる方へ
プードルズハウスでは、子犬たちが母犬や兄弟犬と一緒に過ごしながら成長しています。実際にどのような環境で育てているのかをご紹介しています。

分からないことをきちんと説明してくれるか確認する

そして最後に確認してほしいのが、子犬を迎える相手と安心して話ができるかということです。

ミックス犬の場合には、成長後の体格や被毛など、ブリーダーでも断定できないことがあります。

だからこそ、「絶対にこの大きさになります」「必ずこの性格になります」といった説明だけではなく、分からないことについても正直に説明してくれるかを見てほしいと思います。

子犬を迎えたら、そこから十数年一緒に暮らしていくことになります。

「この子がかわいい」という気持ちと同じくらい、「ここからなら安心して迎えられる」と思えるかどうかも大切にしてください。

ミックス犬と純血種どちらを選べばいい?

ここまでミックス犬と純血種の違いについてご紹介してきましたが、「結局どちらを選べばいいの?」と思う方もいるかもしれません。

私は、どちらが飼いやすい、どちらが優れているという基準だけで選ぶ必要はないと思っています。

大切なのは、それぞれの特徴や違いを理解したうえで、自分や家族の暮らしに合っているかを考えることです。

🐾 自分に合う犬種を考えている方へ
犬種の人気だけではなく、性格や大きさ、暮らし方などから、自分や家族に合う犬種を考えるポイントをご紹介しています。

ミックス犬には、両方の親犬の特徴を受け継ぐ楽しみがある一方で、成長後の体格や被毛などを予測しにくい部分があります。

純血種にも個体差はありますが、犬種ごとの体格や被毛などの特徴があるため、成長後の姿を考えるうえで一つの目安になります。

どちらを選ぶ場合でも、犬種名や見た目だけで決めるのではなく、実際に子犬に会い、親犬や育っている環境についても確認してみてください。

そして、

「この犬種だから迎えたい」ではなく、「この子とこれから一緒に暮らしていきたい」と思えるかどうか。

最後はそこが一番大切だと私は思っています。

まとめ

ミックス犬のメリット・デメリットをまとめた画像

ミックス犬には、両方の親犬の特徴を受け継ぐという魅力がある一方で、成長後の体格や被毛、性格などを予測しにくいという特徴もあります。

また、「ミックス犬だから健康」「純血種だから病気になりやすい」と単純に考えるのではなく、どちらの場合も親犬の健康状態や、その犬種で注意したい病気について確認することが大切です。

さらに、純血種とミックス犬では、血統登録や血統証明書など繁殖を取り巻く仕組みにも違いがあります。

私は純血種のトイプードルを専門に繁殖していますが、この記事でお伝えしたかったのは「純血種の方がいい」ということではありません。

ミックス犬にも純血種にも、それぞれの魅力と知っておきたいことがあります。

だからこそ、見た目のかわいらしさだけで決めるのではなく、親犬や健康状態、育っている環境なども確認し、それぞれの違いを理解したうえで迎えてほしいと思っています。

犬を迎えれば、そこから長い時間を家族として一緒に過ごしていくことになります。

「どちらが人気なのか」ではなく、自分や家族がその子と最後まで一緒に暮らしていけるかを考えながら選んでみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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■ この記事を書いた人(監修)

プードルズハウス代表 山下卓郎
2009年からトイプードル一筋の専門ブリーダー(17年目)。これまでに約200頭の子犬を健康に送り出してきました。 【ペット販売士】【小動物看護士】【愛犬飼育管理士】などのライセンスを保有。 プロの現場だからこそ分かるリアルな一次情報をお届けしています。

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