「なんだか今日は震えている気がする…」「元気もないし、ごはんも食べない…」そんな愛犬の様子を目の前にして、不安でいっぱいになっていませんか。
犬が震える理由は一つではありません。
寒さや緊張だけでなく、体調不良や痛みなど、体のSOSサインが隠れていることもあります。
この記事では、トイプードル専門ブリーダーとして多くの子犬や成犬と向き合ってきた経験から、
犬が震えて元気がないし食欲もないときに考えられる原因と、危険なサインの見分け方をやさしく解説します。
今まさに不安な気持ちでこのページを開いてくださった方が、「どう動けばいいのか」が少しでも見えて、愛犬を守る一歩につながればうれしいです。
犬が震えて元気がないし食欲もないときは注意が必要です

犬が震えて元気がないし食欲もなく震えている。
震えだけなら、「少し寒いのかな」「緊張しているのかな」という程度で済むこともあります。
しかし、そこに元気のなさと食欲不振が加わると、体調不良や痛みを伴っていることが多くなります。
この3つが同時に重なっているとき、犬の体の中ではいつもと違う変化が起きている可能性があります。
もちろん、一時的な疲れや軽い胃もたれのようなこともありますが、「いつもと明らかに違う「なんとなくおかしい」と感じたときほど、注意深く見てあげたいタイミングです。
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犬が震える行動には“よくある誤解”がある
まず知っておきたいのは、「震える=すべて病気」というわけではないということです。
多くの飼い主さんが、
- 「寒いのかな?」
- 「怖がっているのかな?」
と考えがちですが、実際にはそれ以外の理由もたくさんあります。
犬は、
- 不安や緊張
- 環境の変化によるストレス
- 痛み
- 急な体調不良(胃腸炎・感染症など)
- 低血糖(特に子犬)
といったさまざまな要因で震えることがあります。
そして、震えに「元気がない」「食欲がない」が重なっているときは、心だけでなく体の負担がかなり大きくなっている可能性が高いのです。
震える+元気ない+食欲ない…危険度が上がる理由
犬は本能的に「弱っている姿を見せたくない」動物です。
野生の世界では、弱さを見せることが命取りになるからです。
そのため、少しくらいの不調なら、元気に振る舞おうとする子もたくさんいます。
ところが、それでも震えが出て、元気がなくなり、食欲まで落ちているとなると、「もう隠しきれないくらいしんどい状態」になっていることも少なくありません。
とくに、
- いつもなら喜ぶおやつにも反応しない
- 大好きな家族が声をかけてもあまり動かない
- 横になっている時間が明らかに長い
こうした様子が見られるときは、「ただの疲れ」ではないかもしれないと考えてあげる必要があります。
原因① 急な体調不良(胃腸炎・感染症など)
犬が震えながら元気を失っていくとき、もっとも多いのが急な体調不良です。
たとえば、
- 何か合わないものを食べてしまった
- 急にフードが変わった
- 拾い食いをしてしまった
- ウイルスや細菌による感染
こういったことがきっかけで、胃腸炎や発熱を起こしていることがあります。
体調不良が疑われるサインとしては、
- 吐き気や嘔吐がある
- 下痢ややわらかい便が続く
- お腹を丸めるようにして震えている
- 触ると嫌がる部分がある(お腹・腰など)
とくに、嘔吐や下痢が何度も続くときは、脱水や体力低下が心配です。
「様子を見よう」と長く引き延ばすより、早めに病院で診てもらうほうが安心です。
原因② 低血糖(子犬に多い緊急のサイン)
小型犬の子犬でとくに注意したいのが、低血糖です。
体が小さいうちは、エネルギーが切れるのも早くなります。
低血糖になると、
- ガタガタと震える
- 足元がふらつく
- じっとして動かなくなる
- 呼びかけに対する反応が鈍くなる
- 食べる元気がない
といった症状が出ることがあります。
これは命に関わることもあるため、「おかしいな」と感じたらできるだけ早く動物病院へ連れていく必要があります。
子犬のお迎え直後は、環境の変化と重なって食事量が安定しないことも多い時期です。
ごはんの時間や食べる量を、少し意識して見守ってあげると安心です。
原因③ 不安・恐怖・強いストレス
震えの原因が、心の揺れであることもあります。
たとえば、
- 雷や花火、工事の音などの大きな音
- 知らない人が家に来たあと
- 引っ越しや模様替えなど環境の変化
- 長時間の留守番が続いた
トイプードルのような繊細な犬種は、こうした変化に敏感に反応し、震えたり元気がなくなったりすることがあります。
ただし、心因性の震えだけでは、食欲が完全になくなることは少ない傾向があります。
不安そうにしていても、ごはんを食べる余裕があるかどうかは、一つの目安になります。
原因④ 痛み(足・腰・お腹など)
犬は痛みを隠そうとすることがありますが、我慢しきれなくなると震えとして表に出てくることがあります。
特に、
- 足をかばうように歩く
- 抱き上げようとすると嫌がる
- 特定の場所を触るとビクッとする
といった様子があるときは、足や腰、お腹などに痛みがある可能性も考えられます。
トイプードルの場合、膝(パテラ)のトラブルや、ジャンプの衝撃による足腰の痛みが出ることもあります。
見た目で分からないときでも、「いつもと違う歩き方」をしていないか、そっと観察してあげてください。
原因⑤ 寒さ(気温や環境の影響)
もちろん、単純に寒さで震えていることもあります。
特に、
- 季節の変わり目
- 床が冷たいフローリング
- エアコンの効きすぎ
こういった環境では、体の小さなトイプードルは冷えやすくなります。
ただし、寒さが原因のときだけで、極端な元気のなさや食欲不振が長く続くことは少ないものです。
暖かくしてあげても症状が変わらないときは、別の原因を疑う必要があります。
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すぐ病院へ行くべき危険サイン
次のような様子が見られる場合は、迷わず動物病院に相談・受診することをおすすめします。
- 何度も吐く、吐き気がおさまらない
- 下痢や血便が続いている
- 水もほとんど飲まない
- ぐったりしていて立ち上がろうとしない
- 呼吸がいつもより速い・苦しそうに見える
- 呼びかけにほとんど反応しない
- 白目や歯ぐきの色がいつもと違う(白っぽい・黄色っぽいなど)
飼い主さんが「おかしいな」と感じる勘は、これまで一緒に過ごしてきた時間の積み重ねからくる、とても大切なセンサーです。
不安なときは一人で抱え込まず、「念のため診てもらおう」と相談に行くことで、結果的に大きな安心につながることも多いです。
家庭でできる“安心のためのケア”
すぐに病院へ行くべきほどではなさそうだけれど、やっぱり心配…。
そんなときに、家庭でできるケアもいくつかあります。
静かで落ち着ける場所をつくる
まずは、無理に遊ばせたり興奮させたりせず、ゆっくり休める環境をつくってあげましょう。
テレビの音を少し小さくしたり、人の出入りが少ない場所にベッドを移動させるのも一つの方法です。
お水が飲めているか確認する
食欲が落ちていても、お水が飲めているかどうかはとても大切なポイントです。
ボウルの位置を少し変えたり、新しいお水に替えてあげるだけで飲むこともあります。
体を冷やさないようにする
寒そうにしているときは、タオルやブランケットでふんわり包む、ベッドにひざ掛けを入れてあげるなど、やさしく温める工夫をしてみてください。
安心して暮らすために“観察する習慣”をつくろう
日頃から、愛犬の
- ごはんの食べ方
- 遊ぶ時間やテンション
- 排泄のリズムや便の状態
- 歩き方や動きの軽さ
- 表情や目の輝き
こうした「いつもの様子」をなんとなく覚えておくことは、体調の変化に早く気づくための大きなヒントになります。
昨日と今日の違い、今朝と今の違い。その小さな違いに気づいてあげられるのは、
毎日そばにいる飼い主さんだけの特権です。
まとめ|震えは犬からの大切なメッセージ

犬が震えて元気がないし食欲もないときは?原因と危険サインを専門家がやさしく解説!はいかがでしたでしょうか。
犬が震えていて、元気もなくて、食欲も落ちている。
そんな姿を見ると、胸がぎゅっと締め付けられるような気持ちになりますよね。
震えは、犬にとっての「いま、こうなんだよ」という大切なメッセージです。
そこに元気のなさや食欲不振が重なっているときは、
- 体調不良や痛みが隠れていないか
- 急いで診てもらったほうがいい状態ではないか
を一度立ち止まって考えてあげる必要があります。
どうか一人で抱え込まず、「おかしいな」と感じたら、早めに動物病院や専門家に相談してみてくださいね。
それはきっと、愛犬にとっても、あなた自身にとっても、大きな安心につながる一歩になります。
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