愛犬が「キュン…」と鼻を鳴らしたり、「ブーブー」と苦しそうな音を立てていると、飼い主さんとしてはドキッとしてしまいますよね。
「かわいい仕草なのかな」「それとも、どこか苦しいのかな」と心配になりつつも、どこまで様子を見ていいのか、病院へ行くべきか迷う方は少なくありません。
我が家に見学に来られた方や、子犬をお迎えいただいたご家族から「鼻を鳴らしてばかりいるのですが大丈夫でしょうか?」というご相談をよくいただきます。
そこで今回は、犬が鼻を鳴らす行動について、理由と対処法、そして甘え・ストレス・体調不良の見分け方を、ブリーダーの現場から見た視点も交えながら、できるだけわかりやすくお伝えしていきます。
犬が鼻を鳴らす理由と対処法|まず知っておきたいこと

犬が花を鳴らす理由と対処法を説明する前に、まず知っておきたいことをお話しします。
犬が鼻を鳴らすとき、その背景には必ず何らかの「気持ち」や「状態」があります。
単なる癖のように見えても、よく観察すると「甘えたい」「不安だよ」「ちょっと苦しいかも…」といった、細かなサインが隠れていることが多いのです。
まずは、鼻を鳴らすときに見られやすい代表的なパターンを押さえておきましょう。
ここを押さえておくと、あとからお話しする原因や対処法も理解しやすくなります。
「キュンキュン」と鳴く甘えのサイン
飼い主さんの顔をじっと見つめながら、「キュン…」「キュンキュン…」と控えめに鼻を鳴らすとき、多くの場合は甘えたい気持ちが前面に出ています。
子犬期は特に顕著で、「抱っこしてほしい」「そばにいてほしい」「構ってほしい」といった、いわゆる“要求サイン”として使われることが多いです。
トイプードルのような人懐っこい犬種では、大人になってからもこの甘え鳴きをする子が少なくありません。
「ブーブー」という音の正体|逆くしゃみとの違い
一方で、「ブーブー」「ズズッ」といった、少し濁ったような音が鼻や喉から聞こえる場合は、逆くしゃみと呼ばれる生理現象の可能性があります。
初めて見ると飼い主さんは驚かれるのですが、多くの場合は数十秒ほどでおさまり、そのままケロッとしていることがほとんどです。
ただし、逆くしゃみでも犬にとっては「ちょっと息がしづらい」状態になっていることがあり、頻度が多い・発作時間が長いときには、呼吸器系のチェックをしてもらうと安心です。
苦しそうに鼻を鳴らすときは体調不良の可能性も
甘えの鼻鳴きと違い、息が荒く、明らかに苦しそうな様子で鼻を鳴らしている場合は要注意です。
鼻水が出ていたり、くしゃみが続いていたり、鼻を床や布にこすりつける行動が多く見られる場合は、鼻炎・アレルギー・風邪などの不調が隠れているかもしれません。
こうしたときは、「かわいい仕草」と片付けず、いつ・どんなタイミングで鼻を鳴らしているのか、飼い主さんのほうで観察を重ねておくことが、早めの気づきにつながります。
犬が鼻を鳴らす5つの主な理由
ここからは、犬が鼻を鳴らすときに考えられる主な理由を、5つに分けて整理してみましょう。
一つひとつの理由に当てはめて考えてみることで、ご自宅の愛犬の様子が少し見えやすくなってきます。
- 甘えたい・かまってほしい
- 不安や寂しさ(留守番・環境変化)
- ストレスがたまっているときのサイン
- 鼻炎・アレルギー・風邪などの体調不良
- 逆くしゃみや呼吸器の問題
では、順を追って説明します。
甘えたい・かまってほしい
「ねえねえ、こっちを見て」「もう少し一緒にいたいよ」このように、甘えたい時やかまってほしいときなど、特に、家族と一緒にいる時間が大好きな子や、常に誰かのそばにいたいタイプの子に多く見られる行動です。
我が家で暮らすトイプードルたちの中にも、飼い主候補さんが見学に来られると、足元で「キュン…」とアピールする子がいます。
一見すると控えめですが、彼らなりの「もっとそばにいて」という精いっぱいのサインなのです。
関連記事はこちら:
トイプードルが噛む理由や唸る理由とは?飼い主が見落としがちな接し方と落とし穴を解説!
不安や寂しさ(環境の変化)
甘えとよく似ていますが、「不安」や「寂しさ」が原因の場合。
思い出してください、最初に自宅迎えた時、鼻を鳴らしていませんでしたか。
あと、引っ越しをした、新しい家具が増えた、家族構成が変わった、留守番が急に増えたなど、生活の変化が続くと、犬は不安や寂しさから鼻を鳴らして表現することがあります。
とくにトイプードルは、家族の表情や声のトーンをよく観察しており、飼い主さんの忙しさや疲れも敏感に感じ取りますし、人がバタバタしているときほど、そっと「キュン」と寄り添うように鼻を鳴らす子もいます。
ストレスがたまっているときのサイン
お散歩の時間が十分に取れない日が続いたり、遊びが足りず退屈している状態が長く続くと、心と体のバランスが崩れ、ちょっとしたことで鼻を鳴らしたり、ソワソワと落ち着かなくなることがあります。
ストレスが強い場合、鼻鳴きだけでなく、家具をかじる、同じ場所を行ったり来たりする、しっぽを追いかけるなどの行動が一緒に見られることも。
こういったサインが見られたら、生活リズムや環境を一度見直してあげるタイミングかもしれません。
風邪などの体調不良
人間と同じように、犬も風邪をひいたり、アレルギーで鼻づまりになったりする場合などがあり、呼吸がしづらくなり、鼻を鳴らす場合もあります。
鼻のまわりをしきりに気にしていたり、くしゃみが増えたり、普段より寝ている時間が長い場合は、少し注意して様子を見てあげましょう。
愛犬の症状を、メモを取るなどしておくと、動物病院でも状況を伝えやすくなります。
逆くしゃみや呼吸器の問題
逆くしゃみという言葉を知っていますか。
「逆くしゃみ」とは、言葉の通り「くしゃみ」の逆動きで、通常の「くしゃみ」は鼻の粘膜についた異物を外に出そうとするもので、「逆くしゃみ」はその逆で、息を勢いよく吸い込み異物をのどの奥に移動させようするものです。
なので、この「逆くしゃみ」が発作のように何度も続いたり、呼吸そのものが苦しそうに見えるときには、呼吸器系のトラブルが隠れていることもあります。
「最近、前よりも息が荒い気がする」「少し動いただけでハアハアしてしまう」と感じたら、年齢や体格に関係なく、一度診察を受けて相談してみると安心です。
飼い主さんの“なんとなく心配”という感覚は、案外とても大切なサインだったりします。
状況別でわかる、正しい向き合い方とケア
原因のイメージがつかめてきたところで、次は「じゃあ実際にどう対応すればいいのか?」というお話に移りましょう。
同じ鼻鳴きでも、甘えなのか、ストレスなのか、体調不良なのかによって、取るべき行動は少しずつ変わってきます。
甘え・要求の場合の落ち着かせ方
甘えが理由の鼻鳴きは、放っておくと「鳴けば鳴くほど構ってもらえる」と学習してしまうことがあります。とはいえ、完全に無視するのも心苦しいですよね。
おすすめなのは、「少し間を置いてから応える」というスタイルです。
犬が鼻を鳴らしてすぐに反応するのではなく、いったん飼い主さんのほうが深呼吸をして、犬が少し落ち着いたタイミングで声をかけるようにしてみてください。
落ち着いた状態で褒めてあげることで、「静かに待つといいことがある」と教えていくことができます。
不安やストレスが原因の場合にやるべきこと
不安やストレスが強いときは、「叱る」のではなく「安心できる土台を整える」ことが優先です。
いつものベッドやハウスを落ち着ける場所に置いてあげる、飼い主さんのにおいがついたタオルを入れてあげる、留守番の前後には必ず優しく声をかけるなど、ほんの小さな工夫で犬の心はぐっと安定しやすくなります。
体調不良が疑われるときのチェックポイント
「もしかして具合が悪いのかな?」と感じたときは、次のようなポイントを落ち着いてチェックしてみてください。
・いつもより元気がない、遊びに乗ってこない
・フードの食べ方が明らかに遅い/残すようになった
・くしゃみや咳が増えている
・鼻水が出ている、色が濃い
・鼻や顔まわりをしきりに気にしている
こうしたサインがいくつか重なっている場合は、早めに動物病院に相談するのがおすすめです。
飼い主さんが「何日くらい前から」「どういうときに鼻を鳴らすのか」をメモしておくと、診察もスムーズに進みます。
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トイプードルの咳が「カハッ」と出る?逆くしゃみとの見分け方と受診の目安
逆くしゃみへの対応と注意点
逆くしゃみが起きているときは、見ている側もドキドキしてしまいますが、まずは飼い主さん自身が落ち着くことが大切です。
慌てた様子は、そのまま犬にも伝わってしまいます。
そっと背中や胸を撫でてあげたり、「大丈夫だよ」と静かな声で話しかけてあげるだけでも、犬の緊張がふっと緩むことがあります。
数十秒〜1分ほどで落ち着き、その後いつも通りに戻るようであれば、過度に心配しすぎる必要はありません。
病院へ行くべき危険サインとは?
次のような様子が見られたら、できるだけ早めに受診することをおすすめします。
・肩で息をしているように見える
・口を開けてハアハアと苦しそうに呼吸している
・鼻血が出る、または血が混じった鼻水が出る
・ぐったりしていて、反応が弱い
・鼻を鳴らす時間が長く、なかなかおさまらない
こうした状態では、飼い主さんだけで判断するのは危険です。
「少し心配だから診てもらおうかな」と思えた時点で、すでに一歩踏み出せていると考えてください。
トイプードルは鼻を鳴らす子が多い?繊細な性格の特徴
トイプードルは、明るく活発でありながら、とても繊細な一面を持っています。
家族の気持ちや空気の変化を読むのが得意で、そのときどきの感情が、表情やしっぽ、そして鼻の音にも素直に表れます。
プードルズハウスで一緒に暮らしていると、同じ「鼻を鳴らす」行動でも、その子の性格によって意味合いが少しずつ違って見えることがあります。
いつも元気な子がしょんぼりした様子で鼻を鳴らしているときは、「今日はいつもより不安が強いのかな?」と感じることもあります。
逆に、初めての場所や人が相手でも、信頼できそうだと感じると、鼻鳴きがスッと減り、穏やかな表情で寄り添ってくる子もいます。
鼻を鳴らす行動は、トイプードルにとって「心の状態をそっと教えてくれる小さな窓」のようなものかもしれません。
こちらも参考にどうぞ:
トイプードル・オスのマーキング行動の理由とやめさせ方のポイント
まとめ|鼻を鳴らす行動は大切なコミュニケーションのひとつ

犬が鼻を鳴らす理由と対処法は?甘え・ストレス・体調不良の見分け方を専門家が解説!はいかがでしたでしょうか。
犬が鼻を鳴らす姿は、ときに愛らしく、ときに心配の種にもなります。
しかし、その奥にあるのは、いつでも「飼い主さんに何かを伝えたい」という素直な気持ちです。
甘えたいとき、不安なとき、ちょっと体がつらいとき…。
言葉を持たない犬たちは、鼻の音や仕草、表情を組み合わせて、精いっぱいメッセージを送ってくれています。
私たち飼い主は、その小さなサインをキャッチしてあげる役目を任されているのかもしれません。
もし、愛犬の鼻鳴きが気になったときは、「ダメ!」と否定する前に、「今どんな気持ちで鳴いているのかな?」と、一度立ち止まって考えてみてください。
それだけでも、犬との距離感は少しずつ変わっていきます。
そして一人で不安を抱え込まず、困ったときには、かかりつけの動物病院や、犬のことを相談できる専門家に話してみてくださいね。
我が家でも、トイプードルとの暮らしで悩んだり迷ったりしたとき、いつでも相談の窓口としてお手伝いできればうれしく思います。
📩 愛犬の体調や行動で不安になったら、LINEでいつでも相談できます
トイプードルとの暮らし方やお迎え後の不安見学のご相談などをLINEでお受けしています。
「これって大丈夫かな?」という小さな違和感でも、お気軽にメッセージしてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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