「なんだか今日は元気がない気がする…」「寝てばかりいるけど大丈夫かな…」そんな愛犬の様子を目の前にして、胸がざわつくような不安を感じていませんか。
犬が元気なくて寝てばかりいるとき、その陰にはちょっとした疲れから体調不良まで、さまざまな理由が隠れていることがあります。
中には「早めに動物病院へ行ったほうがいいサイン」が含まれていることもあります。
この記事では、トイプードル専門ブリーダーとして多くの犬たちと向き合ってきた経験から、
犬が元気なくて寝てばかりだけど大丈夫?と心配になったときに知っておきたい“よくある理由”と“危険なサイン”を、やさしく解説していきます。
今まさに不安な気持ちでこのページを開いてくださった方が、「どう様子を見て」「どんなときに受診したほうがいいのか」の目安につながればうれしいです。
犬が“元気なくて寝てばかり”なのは、体や心からの大切なサインです

犬が元気なくて寝てばかりだけど大丈夫なのかな、「なんだか今日は元気がない気がする…」「いつもより寝ている時間が長い気がする…」そんな違和感を覚えたとき、飼い主さんの心はざわっと揺れますよね。
犬は言葉が話せない代わりに、体の変化や“いつもと違う行動”でたくさんのことを伝えてくれている動物です。
元気がなく、寝ている時間が急に増えたときは、体が疲れているだけのこともあれば、ちょっとした体調不良や痛みなど、受診したほうがよいサインが隠れていることもあります。
まずは「寝てばかりだからダメ」と決めつけるのではなく、なぜそう見えるのか、どんな変化が他にあるのかを、ゆっくり一緒に見ていきましょう。
▶ すでに「震え」「元気がない」「食欲がない」の症状が出ている場合はこちらの記事も参考になります:
犬が震えて元気がないし食欲もないときは?原因と危険サインを専門家がやさしく解説!
”寝てばかり”5つのよくある理由
まず知っておきたいのは、「寝てばかり=必ず危険」というわけではないということです。
ここでは、”寝てばかり”の5つのよくある理由を解説します。
- 軽い疲れや気圧の変化
- 胃腸の不調(下痢・吐き気・食欲不振)
- 痛み(足・腰・お腹など)
- 感染症や風邪などの体調不良
- シニア期特有の“だるさ”や体力の変化
では、順を追って説明します。
軽い疲れや気圧の変化
人間でも、雨の日に頭が重くなったり、季節の変わり目に体がだるくなったりしますよね。
犬の体も、気圧や気温の変化の影響を受けています。
とくに、
- 雨の日や台風前後
- 急に気温が下がった日
- 季節の変わり目
こんな日は、ふだんより眠気が増えたり、活動量が少し落ちることがあります。
また、お出かけや来客が続いた翌日など、いつもより刺激の多い一日を過ごしたあとには、「今日はゆっくり休みたいな…」と寝て過ごすこともあります。
この場合、
- ごはんはいつも通り食べる
- 名前を呼ぶと尻尾を振るなどの反応がある
- おやつには目を輝かせる
といった様子が見られるなら、「今日はちょっとお休みモードなんだな」と受け止めても大丈夫なことが多いです。
胃腸の不調(下痢・吐き気・食欲不振)
犬が急に寝ている時間が増えるときに、多いのが軽い胃腸の不調です。
たとえば、
- 拾い食いをしてしまった
- 急にフードを切り替えた
- おやつをあげすぎてしまった
- いつもと違うごはんを多く食べた
こういったことがきっかけで、お腹の動きが一時的に不安定になり、「なんだかしんどいな…」と感じて、寝て過ごす時間が増えることがあります。
胃腸の不調が疑われるサインとしては、
- ごはんを残す・食いつきが明らかに悪い
- 少し吐き気がありそうな仕草をする
- 下痢ややわらかい便が続いている
- お腹を丸めるような寝方をよくする
などが挙げられます。
とくに、「震え」「ぐったり」「食欲がない」が一緒に出ているときは、体がかなりしんどい状態になっていることもあります。
数時間〜半日様子を見ても変わらない、あるいは吐き気や下痢が続くようなら、早めに動物病院に相談したほうが安心です。
痛み(足・腰・お腹など)
犬は、痛みを隠そうとする動物です。
しかし、我慢しきれないほど痛みが強くなると、「動きたくない」「じっとしていたい」という形で表れることがあります。
たとえば、
- いつもより立ち上がりに時間がかかる
- 歩き始めがぎこちない
- 抱き上げようとすると嫌がる
- 特定の足をかばっているように見える
といった様子がある場合は、足や腰、お腹まわりなどに痛みがあるサインかもしれません。
トイプードルは、膝蓋骨脱臼(パテラ)を発症しやすいため、ジャンプや階段の上り下りが続いたことによる足腰の負担が、「動きたくない」「寝ていたい」という行動につながることもあります。
見た目には分かりにくくても、「昨日と歩き方が違う」「座り方がおかしい」と感じたときは、
痛みの可能性も頭の片隅に置いてあげるとよいでしょう。
感染症や風邪などの体調不良
「元気がない」「寝てばかり」というのは、感染症や風邪の初期症状であることもあります。
たとえば、
- くしゃみや軽い咳が出ている
- 鼻水が出ている
- いつもより体が熱い気がする
- 目がとろんとしている
といったサインがあるときは、体のだるさから「起きていたくない」「横になっていたい」と感じているのかもしれません。
犬の平熱は一般的に37.5〜39.0℃と言われていますが、少し体温が上がるだけでも、動きたくなくなってしまう子は多いものです。
明らかに「いつもと違うぐったり感」があるときは、早めに動物病院で診てもらうと安心です。
シニア期特有の“だるさ”や体力の変化
年齢を重ねると、犬も少しずつ「休む時間」「寝ている時間」が増えていきます。
これは、体力の変化として自然なことでもあります。
ただし、
- 昨日まで元気だったのに、急に動かなくなった
- 大好きなごはんやおやつにも反応しない
- トイレに行く回数や歩き方が急に変わった
といった「急な変化」がある場合は、年齢だけが原因ではないこともあります。
シニア期の犬にとっては、小さな体調変化が大きな負担になりやすいため、「いつもと違う」と感じたときほど、早めに相談することが大切です。
すぐ病院へ行くべき危険サイン
ここからは、「これは迷わず動物病院へ」という目安をお伝えします。
次のような様子が見られる場合は、
様子見を続けるよりも、早めに受診することをおすすめします。
- 何度も吐いてしまう、吐き気がおさまらない
- 下痢や血便が続いている
- ごはんだけでなく、水もほとんど飲まない
- 呼吸がいつもより速い・苦しそうに見える
- 立ち上がろうとせず、横になったまま動かない
- 呼びかけに対する反応が明らかに鈍い
- 白目や歯ぐきの色がいつもと違う(白っぽい・黄色っぽいなど)
飼い主さんが「なんだかおかしいな…」と感じる勘は、これまで一緒に過ごしてきた時間から生まれる、とても大切なセンサーです。
もし少しでも不安が強いなら、「こんな状態なんです」とメモをして、動物病院で相談してみてくださいね。
家庭でできる“安心のためのケア”
すぐに病院へ行くほどではなさそうだけれど、やっぱり心配…。
では、家庭でできる”安心のためのケア”もいくつかありますので解説します。
静かで落ち着ける場所を用意する
まずは、何かいつもと違うのに気づいたら、できる限り興奮させたりしないで、ゆっくり休ませてあげましょう。
静かな状況を作り、ゆっくり落ち着ける場所にベッドを移動させるのも一つの方法です。
お水を飲めているかをチェックする
食欲が落ちていても、お水がしっかり飲めているをチェックしましょう。
水飲みの場所を少し変えたり、こまめにお水に替えて、できる限り新鮮な状態にしておきましょう。
体を冷やさない工夫をする
部屋の中が寒くないのに寒そうにしているときは、ベッドだけではなく、ペットヒーターなどでやさしく温める工夫をしてみてください。
逆に、暑い季節は、エアコンの効きすぎにも注意が必要です。
犬が心地よく感じる温度かどうか、時々意識してあげると安心です。
▶ 犬が、気持ちよさそうにしているときの記事も参考になります:
犬が日向ぼっこをするのはなぜ?陽だまりが教えてくれる安心のサイン!
観察の習慣が“気づける飼い主”をつくる
日頃から、愛犬の
- ごはんの食べ方
- 遊ぶ時間やテンション
- 排泄のリズムや便の状態
- 歩き方や立ち上がり方
- 表情や目の輝き
こうした、毎日の行動やしくさを覚えておくことが、体調の変化を早く気づくことができると思います。
昨日と今日の違い、朝と今の違い――。
ちょっとした違いに気づけるのは、一緒に暮らしている飼い主さんだけです。
まとめ|“寝てばかり”は犬からのメッセージ

犬が元気なくて寝てばかりだけど大丈夫?よくある理由と危険なサインを専門家が解説!はいかがでしたでしょうか。
犬が急に元気をなくして、寝てばかりいるように見えるとき。
飼い主さんの心も、不安でいっぱいになってしまいますよね。
でも、それは決して「悪いこと」だけではなく、「いまは無理せず休ませてほしい」「ちょっとしんどいよ」という犬からのメッセージでもあります。
大切なのは、そのサインを見逃さないこと。
そして、「おかしいな」と感じた自分の感覚を信じて、必要なときには動物病院や専門家に相談してみることです。
どうか一人で抱え込まず、小さな違和感のうちに行動してあげてれば、愛犬にとっても、あなたにとっても、大きな安心につながります。
▶ プードルズハウスの犬たちの日々の過ごし方はこちらから:
トイプードルたちが過ごす“穏やかな日常”の裏側!プードルズハウスが大切にしている小さな習慣
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「これって大丈夫かな?」という小さな違和感でも、お気軽にメッセージしてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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