トイプードルは、ただ「かわいい」だけの存在ではありません。
私たちは日々、一つの尊い命を預かっています。
そして何より忘れてはならないのは、「犬たちは、自分を愛してくれる飼い主を、自分自身の意志で選ぶことができない」ということです。
お迎えを決めるのは、常に人間側です。
言葉を選ばずに言えば、飼い主になる方が、その子のこれからの暮らしを決めるということでもあります。
だからこそ、迎える側が「どんな暮らしをしていきたいのか」「本当に最後まで向き合えるのか」を、しっかり考えることが大切なのだと思います。
実際、見学へ来られる方の中にも、「自分に本当に飼えるのだろうか」と悩まれる方は少なくありません。
でも私は、その“迷い”は決して悪いことではないと思っています。
むしろ、それだけ真剣に命と向き合おうとしている証拠なのかもしれません。
なので、ただ可愛いから、という理由だけで決めないでください。
この子の生涯を預かる責任を、ご自身の感覚でじっくりと確かめてほしいのです。
この記事では、2009年からトイプードルたちと関わってきた経験をもとに、「優良ブリーダー」とは何か、そして安心して迎えるために大切なことについて、ブリーダーの視点からやさしくお話していきます。
トイプードルの優良ブリーダーとは?

「優良ブリーダー」と聞くと、どんなイメージを持たれるでしょうか。
- 口コミが多い
- 人気がある
- 価格が高い
- 写真がきれい
など、人によってさまざまな基準があると思います。
もちろん、それらも一つの判断材料にはなるかもしれません。
トイプードルの専門ブリーダーとして私が思う優良ブリーダーとは、しっかりとした衛生管理を行い、親犬たちの健康状態を考えながら、責任を持って繁殖と飼育をしている人だと思っています。
さらに、親犬たちの健康状態や遺伝的なリスクにも配慮したうえで、生まれてきた子犬たちを愛情深く育て、心身ともに健やかに成長できる環境を整えることも大切だと考えます。
優良ブリーダーの主な特徴は?
では実際に、優良ブリーダーにはどのような特徴があるのでしょうか。
もちろん、人によって考え方はさまざまだと思います。
でも、2009年からトイプードルたちと関わってきた中で感じるのは、「犬たちを第一に考えながら、日々丁寧に向き合っているか」が、とても大切だということです。
犬たちは、言葉を話すことができません。
だからこそ、こちらが気づいてあげないといけないこともたくさんあります。
また、子犬だけではなく、親犬たちがどのような環境で暮らしているかも、とても重要だと思います。
ここでは、私自身が大切だと思う優良ブリーダーの特徴についてお話します。
飼育環境の透明性
優良ブリーダーかどうかを考えるうえで、まず大切なのが「どのような環境で犬たちが暮らしているか」だと思います。
犬舎の清潔さはもちろんですが、それだけではありません。
親犬たちがどんな表情をしているのか、落ち着いて過ごしているか、人との関わりに慣れているかなど、実際に見て感じる“空気感”も大切だと思います。
また、見学時に犬たちの生活環境を隠さず見せてくれるかどうかも、一つの判断材料になるかもしれません。
実際に見学へ来られた方の中にも、「犬たちの表情を見て安心しました」と言われる方がいます。
我が家でも、特別に取り繕うのではなく、普段の様子をできるだけそのまま見ていただくようにしています。
犬たちは、毎日の暮らしの中で育っていきます。
だからこそ、その“日常”を見ることは、とても大切なのだと思います。
計画的な繁殖(ブリーディング)
繁殖というと、難しく感じる方もいるかもしれません。
でも、本当に大切なのは、「無理をさせないこと」だと思っています。
親犬たちの健康状態や年齢、性格、遺伝的なリスクなどを考えながら、無理のない形で繁殖を行うことはとても重要です。
繁殖に関して、一般の方が知らないこともあるんです。
実際、メス犬の生涯出産回数や交配年齢に関する法令が定められていることがあります。
牝犬の生涯出産回数・交配年齢に関する規制
2019年6月19日に公布された「動物の愛護及び管理に関する法律」に基づき定められた、繁殖に関する規定のうち、2022年6月より適用される事項について、中央犬籍・繁殖委員会の答申を得て、以下の登録制度の改正をいたします。1.「令和3年環境省令第七号」により、牝犬の生涯出産回数は6回まで、交配時の年齢は
6歳以下、ただし、7歳に達した時点で生涯出産回数が6回未満であることを証明でき
る場合は、交配時の年齢は7歳以下となりました。
①この規制は、動物取扱業者(販売、貸出及び展示業者)が、販売、貸出し又は展示の用に
供するために犬を繁殖させる場合を対象としています。
②しかしながら、この規制の主旨は、みだりに繁殖させることによる母体への過度の負担
を避けることを目的としたものであり、動物取扱業者以外の者であってもこの主旨を踏
まえて対応する必要があります。2.本会は、正しい犬の飼育の指導奨励と犬の啓蒙と、動物愛護精神の高揚を事業目的とし
ていることから、2022年6月以降の交配分から、繁殖者が動物取扱業者であるかどうか
にかかわりなく、全ての一胎子登録における母犬の条件は次の通りとなりました。
①当該登録を含む出産回数が、6回以内であること。
②交配時の年齢が、6歳以下であること。ただし、7歳に達した時点で生涯出産回数が6回
未満である場合は、交配時の年齢は7歳以下とする。
特にトイプードルは人気犬種でもあるため、見た目だけではなく、健康面や性格面までしっかり考えていく必要があります。
また、生まれてきた子犬たちも、一頭一頭性格が違います。
人懐っこい子、少し慎重な子、甘えん坊な子。
そうした性格の違いを見ながら、それぞれに合った関わり方をしていくことも大切だと思っています。
私は、「生まれて終わり」ではなく、その子が安心して新しい家族のもとへ行けるように育てていくことも、ブリーダーの大切な役割だと感じています。
アフターサポートの充実
犬との暮らしは、お迎えして終わりではありません。
むしろ、本当のスタートはそこからだと思います。
実際、お迎え後には、
- ごはんを食べない
- 夜鳴きがある
- トイレがうまくいかない
- 体調面が心配
など、さまざまな不安が出てくることがあります。
だからこそ、困った時に相談できる存在であることも、とても大切なのだと思います。
我が家でも、お迎え後にLINEなどで相談をいただくことがあります。
「こんなこと聞いてもいいのかな」と思うような小さな悩みでも、安心して相談していただければと思っています。
犬との暮らしは、楽しいことばかりではありません。
でも、不安や悩みを一緒に考えながら、その子との暮らしを支えていくことも、ブリーダーとして大切な役割なのだと思っています。
ブリーダーとして犬舎の空気感が大切な理由
私は、犬舎を見る時に一番大切なのは、「空気感」なのではないかと思っています。
もちろん、清掃が行き届いていることや、衛生管理がされていることは大切です。
でも実際には、それだけではわからないこともあります。
- 犬たちが落ち着いて過ごしているか
- 人が近づいた時にどんな反応をするのか
- 犬同士がどんな距離感で生活しているのか
そうした日常の中に、その犬舎の“空気”は自然と出てくるのだと思います。
実際、見学へ来られた方の中には、「落ち着いた雰囲気ですね」「犬たちの表情を見て安心しました」と言われる方もいます。
逆に、犬たちが常に怯えていたり、人に慣れていない様子が強かったりすると、やはり何かしらのストレスを感じている可能性もあります。
もちろん、犬にも性格があります。
人懐っこい子もいれば、少し慎重な子もいます。
でも、毎日どのような環境で過ごしているかは、少しずつ表情や行動にも現れてくるように感じます。
我が家でも、特別に取り繕うのではなく、普段の様子をそのまま見ていただくことを大切にしています。
なぜなら、実際に迎えたあとに暮らしていくのは、“普段の犬たち”だからです。
見学の時だけ特別なのではなく、毎日の暮らしの中で、犬たちがどんな表情で過ごしているか。
私は、そうした何気ない空気感の中に、その犬舎の考え方や、犬たちとの向き合い方が自然と表れるのではないかと思っています。
現在のプードルズハウスの様子については、こちらの記事でも紹介しています。
プードルズハウスの現在の様子|トイプードルたちの日常と暮らしについて
後悔しないブリーダー選びとは?
トイプードルを迎える時、「どこから迎えるか」は、とても大切なことだと思います。
でも実際には、写真の印象や価格だけで決めてしまい、あとから「思っていたのと違った」と感じてしまうケースもあります。
もちろん、最初から完璧に判断できる人はいません。
だからこそ大切なのは、「焦って決めないこと」なのだと思います。
本当に安心できるブリーダーかどうかは、実際に話をした時の雰囲気や、犬たちへの接し方、質問への答え方など、細かな部分にも自然と表れてくるように感じます。
また、こちらの不安や悩みに対して、しっかり向き合ってくれるかどうかも、とても大切です。
例えば、
- 犬との暮らしで不安に思っていること
- 仕事や留守番について
- 子どもとの相性
- 先住犬との関係
など、小さなことでも相談しやすいかどうか。
私は、そうした「話しやすさ」も、安心して迎えるためには大切なのではないかと思っています。
また、本当に犬たちのことを考えているブリーダーであれば、無理にお迎えをすすめることは少ないと思います。
なぜなら、“命”を迎えるということは、その後何年もの時間を一緒に過ごしていくことだからです。
だからこそ、「少し不安がある」「まだ迷っている」という気持ちを否定せず、一緒に考えてくれる存在であることも大切なのだと思います。
実際に、「見学へ行ったら必ず迎えないといけないのでは」と不安に感じる方もいます。
でも、本来見学とは、“犬たちの暮らしを見ること”であり、“自分たちに本当に迎えられるかを考える時間”でもあると思っています。
見学について不安がある方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
トイプードルの見学で買わないのはアリ?断っても大丈夫な理由をブリーダーが解説
見学時に確認したいポイント
実際に見学へ行く時、「どこを見ればいいのかわからない」と感じる方も多いと思います。
もちろん、初めて犬舎を訪れる場合は緊張すると思いますし、何を質問したらいいのか迷うこともあるかもしれません。
でも、特別な知識がなくても大丈夫です。
私は、まず「自分が安心できるかどうか」を大切にしてほしいと思っています。
例えば、
- 犬たちが落ち着いて過ごしているか
- 犬舎の中が清潔に保たれているか
- 親犬たちの様子を見ることができるか
- 質問に丁寧に答えてくれるか
- 無理にすすめてこないか
こうした部分は、実際に行ってみると自然と感じることが多いと思います。
また、犬たちを見る時は、「かわいい」という気持ちだけではなく、その子がどんな環境で育っているのかにも目を向けてみてください。
人が近づいた時の反応や、犬たち同士の距離感、普段の表情などから見えてくることもあります。
さらに、見学時に質問しやすい雰囲気かどうかも、とても大切です。
犬との暮らしは、お迎えした後から本格的に始まります。
だからこそ、気になることや不安なことを、安心して相談できる相手かどうかは、後悔しないブリーダー選びにもつながっていくと思います。
我が家でも、「まずは見学だけ」という方も少なくありません。
実際に犬たちと触れ合いながら、「自分たちに本当に迎えられるだろうか」とゆっくり考えていただければと思っています。
トイプードルの見学について不安がある方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
ブリーダーの見学って何をするの?|当日の流れを正直に書きます
まとめ

トイプードルの優良ブリーダーとは何か、そして後悔しないために大切なことについて、2009年からトイプードルたちと関わってきた経験をもとにお話してきました。
優良ブリーダーという言葉には、さまざまなイメージがあると思います。
でも私は、本当に大切なのは、「犬たちを第一に考え、一頭一頭と丁寧に向き合っているか」なのではないかと思っています。
衛生管理や健康管理、計画的な繁殖、そしてお迎え後のサポート。
そうした一つ一つの積み重ねが、安心して迎えられる環境につながっていくのだと思います。
また、見学へ行った時の空気感や、犬たちの表情、人との関わり方などから見えてくることもたくさんあります。
だからこそ、焦って決めるのではなく、「自分たちが安心して迎えられるか」を大切にしてほしいと思っています。
そして何より、犬たちは自分で飼い主を選ぶことができません。
だからこそ、迎える側が責任を持って、その子の一生と向き合っていくことが大切なのだと思います。
この記事が、これからトイプードルを迎えようと考えている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
最後に「ブリーダーってどんなところなんだろう」と不安に思う方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
ブリーダーの家ってどんなところ?|見学に踏み切れない本当の理由
最後までお読みいただきありがとうございました。

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