散歩から帰ってきた愛犬の体をなでていると、毛の間に黒い小さな塊が……。
よく見ると、何かわからないけど指でつまんでみたけど取れなかった、という飼い主さんいませんか?
よくわからないかど、日にちがたつにつれて何か大きくなった気がする。
このような場合は「マダニ」が噛みついている場合がよくあります。
そんな場面に出くわすと、飼い主さんは慌ててしまいますよね。
しかし、マダニは無理に引き抜いたり、薬品をかけたりすると、口の一部が皮膚に残って炎症や感染を引き起こす危険があります。
さらに、マダニは犬だけでなく、人間にも重い病気をうつす可能性があるため、早急かつ正しい対応が必要です。
この記事では、犬がマダニに噛まれたときに絶対やってはいけないことと、動物病院での適切な処置が必要な理由を中心に解説します。
また、日常でできる予防方法についても紹介しますので、愛犬との生活にぜひ役立ててください。
犬がマダニに噛まれたらどうする?
「マダニがついている!」と気づいたとき、飼い主さんがまずやるべきことは、落ち着いて状況を確認することです。
マダニは皮膚にしっかり食いつき、吸血を始めると数日間そのまま居座ることもあります。
焦って手で引っ張ると、口の部分が皮膚に残って化膿や感染の原因になるため危険です。
大切なのは、「自分で取ろうとしない」こと。
マダニは専門的な器具や技術がないと安全に取り除けません。
さらに、飼い主がやってはいけないこととしては以下があります。
- 指でつまんで無理に引き抜く
- アルコールやオイルをかける
- 火であぶるなど刺激を与える
これらの行為は、かえってマダニの体液が犬の体内に入ってしまい、感染リスクを高める危険があります。
我が家の子も以前、散歩から帰った後、耳の裏側に黒っぽい小さな塊のようなものがついていました。
指でつまんだところ、むにゅとした感じでなかなか取れなかったのですが、何とか取ることができよく見たら、ダニのように思えました。
そして、動物病院へ行ったところ、獣医師からは自分で取り除くことはしないで、そのまま来院するようにと指示を受けました。
このことからも、最も正しい対応は、できるだけ早く動物病院へ連れていき、獣医師に処置してもらうことです。
次の内容で、動物病院に行くべき理由について説明します。
動物病院に行くべき理由
マダニに噛まれた犬は、一見すると「小さな虫に刺されただけ」に見えるかもしれません。
ですが、マダニはただの寄生虫ではなく、犬や人に重い病気をうつす危険を持った存在です。
そのため、自宅で無理に処置するのではなく、必ず動物病院で診てもらうことが推奨されます。
動物病院に行くべき主な理由は以下の通りです。
確実で安全な除去ができる
マダニは顎の部分を犬の皮膚に深く差し込んで吸血しています。
専用の器具や技術がなければ、口の部分だけ皮膚に残ってしまい、化膿や炎症の原因になります。
動物病院なら確実に、かつ安全に除去してもらえます。
感染症のリスクを防ぐため
マダニは「バベシア症」や「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」など、命に関わる感染症を媒介することがあります。
自宅で無理に引き抜くと、マダニの体液が体内に入り込み、感染リスクが高まるため危険です。
噛まれた後のケアが必要
マダニを取ったあとの患部は、赤みや腫れが残る場合があります。
動物病院では抗生物質や消毒薬で処置してくれるため、二次感染や炎症を防ぐことができるのです。
数日後に症状が出る病気もある
マダニに噛まれてから数日〜数週間後に、発熱や食欲不振などの症状が出る場合があります。
早めに病院で経過を相談しておくことで、病気の早期発見・早期治療につながるのです。
つまり、マダニに噛まれた時は「その場で取る」のではなく、必ず動物病院で処置を受けることが、犬の健康を守る一番の方法なのです。
さらに、マダニについての正確な情報は、ベーリンガーインゲルハイムアニマルヘルスジャパン㈱ 内【ペットの病気予防・治療方法について】よりご確認下さい。
マダニを予防する方法
マダニに噛まれると、その後の処置や感染症リスクで飼い主さんも大きな不安を抱えることになります。
だからこそ大切なのは、「噛まれてから」ではなく、**「噛まれないように予防すること」**です。
ここでは日常でできる予防方法を紹介します。
散歩後のチェックとブラッシング
草むらや公園を散歩した後は、必ず全身をチェックしましょう。
特にマダニがつきやすいのは以下の部位です。
- 耳の内側や付け根
- 首元や胸元
- 足の付け根
- しっぽの付け根
ブラッシングを習慣にすることで、マダニが毛の奥に入り込む前に気づけることもあります。
草むらや山道での注意点
春から秋にかけて、マダニは活発に活動します。
特に雑草が生い茂った草むらや、野生動物の多い山道には大量に潜んでいます。
散歩コースを選ぶときは、なるべくリスクの高い場所を避けることも予防につながります。
動物病院で処方される予防薬を使う
最も効果的なのは、動物病院で処方されるマダニ予防薬です。
- 首元に垂らす「スポットタイプ」
- 月に一度飲ませる「経口タイプ」
- 効果が数か月持続する「首輪タイプ」
などがあり、ライフスタイルや犬の性格に合わせて選ぶことができます。
市販薬よりも動物病院で処方されるものの方が効果・安全性ともに高いこと。
さらに、予防薬の種類によっては、体重などの大きさによって与える量の制限などがあるので、かかりつけ医と相談して適切なものを使うようにしましょう。
このように、散歩後のケア+環境への配慮+予防薬を組み合わせることで、愛犬をマダニの被害からしっかり守ることができます。
まとめ
犬がマダニに噛まれたらどうする?やってはいけないことと正しい対処法や予防方法を解説!はいかがでしたでしょうか。
犬がマダニに噛まれたと気づいた瞬間、慌ててしまうのは当然のことです。
ですが、最も大切なのは**「自分で取ろうとしない」**という冷静な判断です。
無理に取り除こうとすると、口の部分が皮膚に残って化膿したり、マダニの体液が体内に入り込んで感染症のリスクを高める危険があります。
安全で確実な方法は、動物病院で獣医師に処置してもらうこと。
さらに、深刻な病気のリスクを考えると、病院で診てもらうことは愛犬を守るだけでなく、飼い主自身の健康を守ることにもつながります。
そしてもうひとつ忘れてはいけないのが、動物病院で獣医師の指示のもとでの予防の習慣化です。
散歩後のチェック、危険エリアを避ける意識を持つこと、予防薬の使用で、マダニのリスクは大きく減らせます。
愛犬の健康と安全を守るために、「噛まれたら病院」「日常は予防」というシンプルなルールを心に留めておきましょう。
そうすれば、不安な状況に出会ったとしても落ち着いて対応できるはずです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント